パワーサプライ、変圧器?電子・電化製品を守るPower Adapterの選び方
Power Adapterは私たちの暮らしに高い頻度で出現し、多くの人が毎日使っていますが、この製品はあまりよく理解されていないかもしれません。Power Adapterは電源アダプターと訳す人もいますが、売りやすくするために変圧器としているブランドもあります。しかし、正しい名前は「外付け型パワーサプライ」と呼ぶべきでしょう。
パワーサプライとしてPower Adapterは、電子機器や電器用品に給電するため、入力電流の引き受けと変換の役割を担っています。そのため、正しく製品を選ばなかったり、品質の良くない製品や誤った製品選びをしたりすると、電子機器や電化製品にダメージを与えてしまうだけではなく、ユーザーがケガをしてしまう恐れもあります。
では、優れたPower Adapterはどのように選べばよいのでしょうか。そこで、パワーサプライ市場でおよそ30年の経験を持つ専門メーカーFSPが、皆さんのためにPower Adapterの選び方をご紹介します。
Power Adapter とは何か?外付けパワーサプライはどのようなシーンで使用するのか?
私たちが普段使っているパソコンなど各種製品の内部にはパワーサプライデバイスが使われています。しかし、サーマルプリンターや小型ATM、カードスキャナーやハンディタイプのPOSといった比較的小さい製品については、設計段階で製品の体積が小さすぎるために適するパワーサプライを搭載できなかったり、その他の製品構造設計のために外付け型パワーサプライを採用していることもあります。
しかし、小さくてカバンの中に入れてどこへでも持ち運べるPower Adapterは、なかなかの優れものです。これは電子機器や電化製品の心臓と同じで、良品を選ばないとそれらの製品が十分にその能力を発揮できないばかりか、製品の寿命を縮めてしまうこともあるのです。
Power Adapterの動作の仕組みと、電子・電化製品を安全に使用する方法
Power Adapterの基本的な動作原理は国ごとに使われている電圧に従って出力を生み出し、製品の使用に「適する」ように変換することです。基本的には、現代のエレクトロニクス技術を通じて安定した出力電圧を維持する電源供給と管理のための装置といえます。
そして、Power Adapterの作動においては変換効率の問題が存在します。入力電力が100Wであれば、変換される出力は必ず100Wを下回り、余分な電力は熱エネルギーとなって失われていきます。そのため、Power Adapterの設計では、製品本体から放熱させる技術が重要となります。設計が良くないと、使用中にユーザーは低温火傷を負ってしまうことがあります。
外付け型パワーサプライ装置として、小さなPower Adapterを侮ってはいけません。実はそこには高い技術の壁があるのです。モーターを内蔵する全ての電器製品は起動時により高い出力電圧でモーターを起動しなければなりません。その際にいかに短時間で高出力かつ長時間安定した出力を実現するか、コンパクトで高い放熱安全性を実現するか、 それと同時にPower Adapter自体の製品寿命も長くするなど各方面においてメーカーの技術力が大いに試されるのです。
Power Adapterの動作と必要性を理解したら、優れたPower Adapter選びが当然重要になります。特に、頻繁に世界各地へと出張するような場合は外付け型パワーサプライを常に使用します。間違った製品選びは、緊急の時に思わぬトラブルを引き起こしてしまいます。
Power Adapterを使うべきか、それは使用状況によります。Power Adapterはデスクトップ型(desktop)と壁取り付け型(wall mount)の2種類があります。壁取り付け型パワーサプライには差し込みプラグが設計されており、直接壁面のコンセントプラグに挿入します。デスクトップ型は両側に電源用線材が使用され、フレキシブルに使用できます。用途を考慮して購入しましょう。
どちらのPower Adapterを使うにせよ、入力プラグの規格が使用する国のコンセントプラグに適するか否かは極めて重要です。適さない場合は別途ユニバーサルプラグアダプターを購入する必要があります。その他、電器製品を連結するDCプラグ規格に関しても自分でパワーサプライを購入する時は、購入しても使えなかったということがないよう型式に注意してください。
デスクトップ型外付けパワーサプライは、電源コードと繋がっている部分にコンセントプラグの規格の違いがあります。現在よく見られる規格はC14(縦型三孔)、C8(円形8の字型2孔)とC6(ミッキーマウス型円形プラグ)です。これもAC電源コードを購入する際に考慮が必要なポイントです。
もちろんパワーサプライなので、「電気」がやはり重要なポイントとなります。Power Adapterが適するかどうかは、製品やパッケージに大きなマークで示される情報を読むと分かります。基本的には3つの方向から評価します。
- 安全規格認証
- 消費電力等級
- 入出力の電力表示
規格を満たすPower Adapterにおいて基本的に必要なことは、必ず各国の安全規格認証を取得していることです。通常、メーカーは取得した安全規格認証のロゴを大きく表示しています。各国に安全規格認証があり、最も汎用的なものは主にアメリカの(UL/cUL)認証、EUの CE-Marking LVD 指令適合と、中国の CCC 認証です。
各国の安全規格認証が要求するポイントは必ずしも同じではありません。例えばEUの CE-Marking LVD は環境保護規制について他の国よりも厳格です。しかし、Power Adapter1台で多くの安全規格認証を取得していれば、それは多くの国で販売されており、適用性がより高いものといえます。
安全規格認証は外付け型パワーサプライの最も基本的な要求にすぎません。さらに、米国エネルギー省(DOE)の消費エネルギー効率基準(Efficiency Level)表示もチェックしましょう。アメリカ市場に向けた製品の場合、米国エネルギー省が義務付けている基準はレベルⅥです。
注意が必要なのは、米国エネルギー省は輸入製品に必ず消費エネルギー効率基準の表示を要求していることです。EUにも適合性証明(CoC)の基準がありますが、DOEの規範を基準としてもよいため、アメリカの消費エネルギー効率基準が大きく表示されているものがPower Adapter選びの基本となります。
もちろんPower Adapterが自分の用途に合っているかということも大変重要です。これは大きく表示されているAC入力(AC INPUT)とDC出力(DC OUTPUT)で確認します。
使用国で入力交流電流はボルト(V)数で表示します。現在、世界の交流電圧が最も低い国は日本(100V)で、欧州、イギリスおよび中国は最も高い240Vとなっています。Power AdapterのAC入力表示が100-240Vであれば、世界各国で使用することができます。
各国で使用できるためには、当然十分な供給電力が必要です。これについてはDC出力が表示するボルト数(V)とアンペア数(A)を掛けたものが給電ワット数となります。使用する製品と照合すれば給電条件に合致しているかどうかが分かります。
Power Adapterはどのように選ぶ?FSPがお薦めする厳選Power Adapter
パワーサプライを選ぶ前に、まず使用デバイスの最適性能を決めてから、それに合わせたパワーサプライを選択します。FSPではPower Adapter 選びのための万能シートをご用意しています。ぜひ製品選びの参考にしてください。
小さなPower Adapterの中には大きな知恵が詰まっています。メーカーの技術力が試されるだけではなく、多くの消費者は購入の際に上手な選び方を知りません。ここまでお読みくださった皆さんは外付け型パワーサプライの選び方について、さらに理解を深めてくださったことと思います。性能の良いPower Adapterは長く使用することができ、電子機器や電化製品の製品寿命と安全性をしっかり確保してくれます。ぜひ慎重に選んでください。
FSPについて
FSPテクノロジーは、世界最先端の電源メーカー一員です。1993年成立時から、「サービス、プロフェッショナル、イノベーション」の経営理念を持って、全方面でグリーンエネルギーで解決するメーカーです。